「新宿アールブリュット展2023」で大賞を受賞した太田哲郎さんと特別賞を受賞した三浦稔さん、
障害者福祉センター内にある多機能型事業所「あすなろ作業所」「トライ工房」に通所されているおふたりに
受賞のよろこびや創作のきっかけなどのお話をうかがいました。
「まさか!」と思いました
――この度は受賞おめでとうございます。
まずは、受賞したと聞いたときのお気持ちをおうかがいします。
太田哲郎さん(あすなろ作業所): なんで自分が大賞をとれたのかわからなかったです(笑)「まさか!」と思いました。授賞式ではスピーチもあったので緊張しました!
三浦稔さん(トライ工房):僕の作品が特別賞でいいのかなあと思いました(笑)僕も授賞式では緊張していました。
「アールブリュット」というものは知りませんでした
――アールブリュット展への出展のきっかけは?
三浦さん:なんだったっけ(笑)
太田さん:たしか、多機能型事業所の所長か、職員に勧められたような気がします(笑)「アールブリュット」というものは知りませんでした。
――授賞式などで他の方の作品もご覧になったと思いますが、いかがでしたか?
太田さん:他の方々の作品も、全員上手でした!
三浦さん:パソコンだったり、手描きだったり、いろいろな手法があって素晴らしかったです。とても緻密なものや、色使いにもそれぞれ個性がありました。暗い色が少なくて明るい色の作品が多かったことが印象的でしたね。僕の作品が特別賞でいいのかなあと思いました(笑)。
――お二人が絵を描き始めたきっかけと、今回の受賞作についてお聞かせいただけますか?
太田さん: もともと小さいころから絵を描くことが好きでした。本格的に描き始めたのは高校3年生の時。学校の先生にパソコンでやってみないかと言われました。当時使ったソフトは「ペイント」だったと思います。色鉛筆で手描きのイラストも描いていました。
今回の作品は、障害者福祉センターで受講している「絵手紙講座」の講座中に描いたものです。「顔彩」を使っていてます。いつも描いた絵だけでなく文章がユニークと先生に言われています。
三浦さん:僕も子供のころから絵を描くことが好きでした。でも自分で想像して描くのは苦手でした。今はパソコンで写真を探して、それをヒントに描いてます。今回の出展作品は色鉛筆で描いています。パソコンで見たヒツジを参考にして描きました。明るくしたかったので、色は想像で塗りました。
――受賞して、周りの人からは何か言われました?
太田さん:母に賞状をみせたら、熊本のおばあちゃん・熊本のお母さんのお友達に自慢していました。友達には「すごいね!」って言われましたね。
三浦さん:トライ工房やあすなろ作業所のみんなに「うまいね~」と言われました。まだ忙しくて家族には伝えられてないです。賞状は、大事なものだから所長に預かってもらってます。
絵は、上手い下手ではなく自分の個性の表現
――「これからはこういうものを描きたい」という展望はありますか?
太田さん:今は絵手紙を頑張っているので、絵手紙講座でいろんなものを描いていきたいです。アールブリュット展は続いてほしいです。また展示会があったら出してみたいなと思っています。
三浦さん:マジックや絵の具もきれいだけど、今回の作品でも使った色鉛筆は、出来上がりがきれいな絵になるように感じます。なので今後は色鉛筆を使って描いていきたいなと思っています。絵は、上手い下手ではなくて自分の個性の表現なので続けていきたいです。
2023年10月末まで、新宿区役所・地下1階エレベーター前におふたりの受賞作品が展示されています。 お近くにお寄りの際はぜひお立ち寄りください。 また、第二回の「新宿アールブリュット企業展」は12月頃開催の予定とのことです。楽しみですね! 「新宿アールブリュット企業展」についてはこちらの記事も併せてご覧ください。 |